起業家インタビュー

50代で叶えた夢 コミック&クラフトカフェ「Pony Craft Café」藤井ノブタカさん・マキさん

2024年2月7日

ここは他のお店にはない際立った個性があるにも関わらず、誰もが自分の部屋のように心安げる場所、Pony Craft Café。藤井さん夫妻が念願のcaféをこの地にオープンしたのはコロナ禍の2021年10月。マキさんお手製の棚に天井までびっしり!並んだノブタカさんのコミック蔵書とマキさんの生み出す愛くるしい羊毛フェルトの動物たちが訪れる人々の心を掴んで離しません。

起業のきっかけ

長年コミック本をコレクションしていた夫ノブタカさんは「いつかマンガ喫茶のマスターに」という漠然とした夢を抱きつつも有名上場企業で30年以上勤務。妻のマキさんは、子育てが一段落した頃から、自宅やカルチャースクールで木工、トールペイント、パッチワーク、ワイヤークラフト、羊毛フェルトなどのマルチクラフト講師として長く活動していました。

ノブタカさんが早期退職を決めたことから、一気にカフェ経営の夢が加速しはじめ、ふたりで喫茶業を勉強中にこの物件を見つけて即決。オープンの半年前から賃貸契約を取り付けて、マキさん手作りの棚にノブタカさんのコミックを運び入れ、お店を彩る作品を1つ2つと増やしてゆき、マイペースで楽しみながらオープンに備えました。

Pony Craft Caféとは?

以前にマキさんが自作のクラフト品を販売したり、講師として活動するときの屋号として長年使っていたのが「Pony Craft」という名前。Ponyは、若かりし頃にポニーテールだったというマキさんのヘアスタイルから。Caféの2階にイベントスペースがあることから、教室との併設を構想として打ち立てていたため、クラフト活動との共存をテーマとし、継続してcaféにもこの名を冠しました。

どんなお店?

コミックと同様にノブタカさんのコレクションであるサイフォン立てのコーヒーが自慢。コミックをお供にひとりでゆっくり…または、気の合うお友達やご家族と手作りスープランチやケーキセットで賑やかに!

そして時にはcaféの2階で開催されるマキさんのクラフトレッスンやさまざまなイベントに参加する人たちも、のんびりと気ままにcaféでくつろいでいるのだとか。「お客さま同士のつながりもでき、それぞれの『居場所』として、大切にしてくださっているようでありがたいです。」(マキさん)

心がけていること

まずはお客さまFirstで。結婚生活は長いものの、夫婦で別々の仕事を長くしていたので「共同作業」をする経験は、まだ2年と少し。仕事をする上でのパートナーとしてはお互い新人同士なので、細かいところまで日々のお客さまへのサービスやメニューについて意思統一を心がけています。

起業を目指す方へ

まずはしっかりと業務のイメージを持っておくこと。次に実現のための事業計画を実現可能かどうかフラットな目線で吟味することも大切。
「漠然と『何かやりたい』『caféでも…』などと、おぼろげに思う人は多いでしょうが、夢のまま終わらせたくないのなら、起業に必要な資格、知識、資金など、準備についての事柄を細分化して、実施計画を立てる必要があります。私は長年会社員として勤めた経験が幸いし、物事を俯瞰して進捗の管理をすることが得意なので、慣れていた部分もありました。プロジェクト管理などを主に会社では担当していましたが、起業にもやはりプロセスが大切だと感じます。」(ノブタカさん)

「私は早期退職をして、起業へシフトチェンジしましたが、イメージと事業計画をしっかり練っていれば、やはり時期は早い方がいいでしょうね。『定年まで勤めあげてから次の人生を』と考える人も多いでしょうが、実のところ会社で存分に活躍できる年齢は50代までのような印象があります。次に移れる準備は早い方がいいんじゃないかな、と思いますね。」(ノブタカさん)

店舗情報

【Pony Craft café】
●創業 2021年10月14日
●住所 〒520-0113滋賀県大津市坂本7丁目32-58
●営業日  基本 木・金・土・日曜  (不定休有り・年末年始、お盆休みあり)
●営業時間 10:00~16:30
●アクセス JR湖西線 比叡山坂本駅 徒歩4分
●駐車場 店舗前4台有り

この記事を書いた人

みやむらけいこ
サーフィン・チョコレート・歌舞伎・ひとり旅・パンダが好きなライター・インタビュアー

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