起業家コラム

目指せ セカンドキャリア!40・50代からの起業

2023年12月21日

人生100年時代と言われる昨今、私たちはこれからどのような「働き方」を設計していけばよいのでしょうか。本記事では、定年を現実のものとして意識することになる、40代、50代からの起業によるセカンドキャリアについて考えてみたいと思います。

変化する労働環境

2025年4月から全ての会社で65歳までの雇用確保の義務化が決定されています。70歳までの就業機会の確保も現在努力義務とされていますが、完全義務化となる日もそう遠くはないかも知れません。このような社会の流れを私たちは敏感に感じ取り、その準備をしておく必要がありそうです。
定年引き上げの義務化については、言わずもがな社会保障制度を安定化(健全化)させるための方策の一つではありますが、健康年齢の上昇、人工減に伴う局所的な労働力不足、働き方の多様性という観点からも、今後益々この議論が進んでいくことが予想されます。

政府のリスキング支援の拡充、労働力の流動化を促す社会保険の適用範囲の拡大等の今般の施策を見てとるに、すでにそのための政策誘導がなされているような気がします。
国の動きの如何を問わず、そもそも多く被用者の生活実態として、定年後の就労機会の確保を自らの責任でおこなうべき否応のない現実もあるように思います。

陳腐化した実務能力だけが頼りのベテラン社員は、労働契約更新の際には容赦のない賃金の減額を言い渡されます。契約更新後はスキル更新の機会も与えられず、絶えず社内失業に陥る恐怖にさらされることにもなります。

コロナ禍を契機として就労環境は大きな変化を遂げました。今後益々加速していく業務のDX化と相まって、社内の定型外の業務をも絶えずアップデートされていくことが予想されます。ベテラン社員はこれでまで以上に自助努力が求められることでしょう。

セカンドキャリアを考える

多くの会社は60歳を定年とし嘱託契約などで再雇用という形をとっています。給与はそれまでの半分程度に減額されることも珍しくありません。最近は役職定年という概念もありまして、40代で役職に紐付いてきた手当をばっさりとカットされたりもします。
破綻のない老後の生活が確保できるまでの間において、安定した雇用継続を実態として継続できている会社であれば、そこにしがみつくという選択が経済的には最もリクスが少ないと言えるでしょう。しかし、高齢者の雇用そのものに消極的な中小企業は多く、任意退職を促すため、非合法すれすれのトラップを仕掛けてくる会社も実際に存在しています。また、40歳を過ぎますと、労働者本人も多くの不安定な要素を抱え始めます。

ハローワークの求人を閲覧することはあるでしょうか?ご覧になったことがない方は、ネットから(ハローワークインターネットサービス)でも簡単に検索できますので是非ご覧になってみてください。地域、年齢、希望する職種などを入力して検索をかけますと、その内容が反映された検索結果が出てきます。一見してそれなりに豊富な求人数があるように思えます。しかし、問題はその内容です。皆さんの貴重な時間を投入する価値があると思える求人はあるでしょうか?また、皆さんのこれまでのキャリアを評価し、厚遇してくれそうな会社はあるでしょうか?

少なからず絶望を覚えることになると思います。しかし、その絶望は、これからの人生どう生きるのか?を真剣に考えさせてくれるきっかけになります。

50代になっても思った以上の可能性はあるものです。刺激的な体験をすることもまだまだできます。
士業を本業としている方の事例です。
別に立ち上げた会社でアプリ開発という新しいビジネスも展開されていて、この事業でITエンジニアさんと繋がり、市場動向について大学教授の意見を伺い、マーケティングについては高名な先生からアドバイスをいただくという機会を得ています。
この年齢でも、自分にとって新しい社会との繋がりを開拓できるわけです。年齢による不自由を感じることなどほとんどありません。
儲かるかどうかは別として、起業の醍醐味を存分に味わっていると言えます。

この方の前職は製造業の現場職です。約20年もの間汗にまみれて働いていました。そんな中でも、新しい自分を創りたいという意思だけは強固に持ち続けていました。

セカンドキャリアとしての起業

第二、第三の人生を考えるにあたり、「起業」は夢のある選択肢です。
全ての物事を自分で決定し、その結果がダイレクトに自分に還ってきます。決められた出社時間はなく終業時間という概念もありません。上司の顔色をうかがうことや、同僚や部下に苛立つこともありません。何より、真の意味での「自立」を実感することができます。心的にも物的にも自分の将来を会社に委ねる必要のない生き方は実に清々しいものです。己の才覚のみで勝負できるわけですから。

もちろん多くのリスクを抱えることにはなります。40代以降からの起業となると、若い人に比べ再チャレンジの機会も限られてきますのでなおさらでしょう。「中高年ならではの経験や実績を強みに!」という言葉もよく耳にはしますが、現実の事業運営の現場ではほとんど役に立つものではないと思っておいた方がいいでしょう。

ただし、例外はあります。例えば、理美容師さん、介護系職員、各種エンジニアさんなどの専門職の方々です。安定した需要が世の中に既に存在し、これからもそのサービスの供給が求め続けられると思われる事業ですね。身につけてきたスキルやノウハウをそっくりそのまま市場に投入すれば、一応は瑕疵のない事業として成立(成功するか否かは別問題)させることができます。これまで培ってきた「ツボ」や「勘所」が通用するのもこうった専門職でしょうか。

スタートアップやベンチャー企業、超一流企業などの中心で活躍されてきた方は、社会にインパクトを与える新しい価値の提供を世の中に示す能力を有します。年齢を問わず違いを生み出せるタイプですね。質の高い人脈を豊富に持っている方は、その人脈をフルに活かし起業を成功させます。

では、過去の経験や実績を起業に活かすことが難しく、特別な能力や人脈もない私のような一般人は、どういった形で起業の成功を目指せばいいのか考えてみましょう。

目指すは小さな成功!

何も裏付がけない40代以降の方の起業となると、「とりあえず食えるだけの仕事を確保し、あわよくばそれなりに・・・」といった感じでイメージされる方が大半ではないでしょうか。生活を破綻させないことを大前提とする、「小さな成功」をまずは目指すべきです。消極的で夢のない話だと思われるかもしれませんが、それをステップとしてさらなる高みを目指せばよいのです。

差し当たって考えなければならないことは皆さんの現在と将来の経済事情です。
現在の月間、年間の生活費をあぶり出します。現状の生活費を将来どの程度まで圧縮できるかも検討します。直ちに取り崩し可能な金融資産も含めて貯蓄はいくらあるでしょうか。予定される年金受給額は?受給開始まではあと何年あるでしょう。
何がしたいのかと言いますと、起業するタイミング、起業後に必要な売り上げなどを、ザックリとでも割り出したいのです。上記はこれを導き出すための必要な情報なのですが、エクセルなどの表計算ソフトを使えば、条件を変更しつつ色んなケース毎に、あらかたの答えを簡単に導き出すことができます。

以下を例に計算してみましょう。

【条件】
・年齢:50歳(配偶者あり)
・保有貯蓄額:700万円(直ちに切り崩しできる金融資産も含む)
・年間貯蓄額:60万円(会社員を続けた場合の貯蓄可能額)
・年金受給開始年齢:65歳(繰り下げ、繰り上げ受給も検討しましょう)
・年金受給額:夫婦合算20万(受給開始のタイミングによって変動します)
・月々の生活費:28万(65歳以降は23万まで圧縮可能)

単純な話として、この時点で無収入になってしまいますと52歳過ぎたあたりで貯蓄は枯渇してしまうことになります。あと5年待って55歳で無収入になった場合どうでしょう。貯蓄は1.000万円になっている計算ですので、58歳手前まで持ちこたえることができそうです。

では、50歳で起業して毎月平均10万円の可処分所得を生み出すことができたとします。そうすると53歳過ぎるあたりまでは借金をせずに済みます。55歳からですと59歳過ぎまでは大丈夫ですね。

さらに頑張って毎月平均20万円の可処分所得を得ることができたとします。55歳での起業で考えてみましょう。そうしますと、貯蓄を食い潰すことなく年金受給開年齢の65歳を迎えることができます。

ふわーっとした感じかも知れませんが、何となく見えてきますね。

もっとも、起業資金は別途必要ですし、普通に生活をしていますと、イレギュラーな出費や突発的な持ち出しも当たり前に発生します。老後破綻を招かないための資産形成を図ることも怠ってはいけません。起業後に起こるあらゆるケースを想定しつつ、それに対応するオプションも用意しておきましょう。経済面での不安を可能な限り排除しておきませんと経営に集中できません。これは非常に重要なことです。

40代・50代から起業のその実

ここまでで皆さん何か気づきはないでしょうか?
上記の計算で分かることですが、年齢が高ければ高い起業ほど、経済的なリスクを低減できるということです。若い人にはない強みと見てもいいでしょう。40歳以降の起業は「若い人に比べ再チャレンジの機会も限られる」と先に言いましたが、一定の条件を満たすことができれば、再チャレンジをする必要のないところまで逃げ切れるとい側面もあるのです。

自分なりの目指すべき小さな成功を定め、現在と将来の経済事情も勘案しました。生活を破綻させないためにはどの程度の稼ぎが必要なのかの計算もできたと思います。では、起業についてズブの素人である一般人が、どんな事業を選択して起業をするのか?これが最大の問題になることでしょう。

他人に秀でる特技などない一般人であっても様々なアプローチがあります。アイディアや特技を活かした起業、フランチャイズの加盟店としての起業(不当な契約を締結させる団体もあるので要注意)、資格を取得しての起業、事業を買うという方法などもあるかもしれません。最も可能性が最も高いと思われる選択をするべきです。リサーチを十分すぎるほど行う必要があるのは言うまでもありません。

探す起点を、「事業」から「手段」に変えて考えてみると、より広いアイディアが生まれてきます。
毎月どの程度自由に使えるお金(可処分所得に対応する売り上げも割り出すこと)が必要なのか?を考えてみてください。その手段を想像してみるのです。発想が散漫になってしまうなら、「1万円を稼ぐ」ことに落として考えてみましょう。

1万円程度であればいろいろ思いつきそうです。特別なスキルや特技がなくても、年齢なりに身についた技能を持って稼げる作業や仕事は確実にあるはずです。それが単発で終わるものは事業とはなり得ませんが、反復継続できるもののであれば事業として成立するのです。例えば、一つ一つの請負作業を事業としてシステム化している「代行業」がそうです。レッドオーシャンの中にも「スキマ」はあるものです。40代、50代の豊富な経験と洞察力を余すことなく活用しましょう。諦めないことです。

まとめ

日々不満を募らせながら悶々とした職業生活を送っておられる40代、50代の方も多いと思います。自己憐憫に浸る痛い中高年になってはいけません。これまでとは全く違うステージに立ってみることを考えてみましょう。自分の可能性を知らないまま終わっていくのは実にもったいないことです。意外にハードルは低いかも知れません。

Tags

Share

Ranking

ランキング