目次
まず初めに、LinkedInの簡単な歴史と、現在のユーザー数や利用状況についてご紹介します。
LinkedInは、2003年にアメリカでサービスを開始しました。
その後は着実に成長を続け、今や世界200か国で10億人以上が使用していると言われています(2023年11月現在、参考:https://news.linkedin.com/about-us#Statistics)。
日本においては、2011年にLinkedInの日本語版がリリースされたことで、運用が開始されました。
日本での運用開始当初は、外資系企業に入るための転職サイトといったイメージが強く、使いづらいと不評だったようです。
しかし、元ヤフー株式会社の村上 臣氏が2017年にLinkedIn日本法人の代表へ就任したことをきっかけに、ユーザーインターフェースなどが少しずつ改善され、使いやすいビジネスSNSへと変化していきました。
今では、日本国内で300万人がユーザーとして登録しています(2023年11月現在)。
ただ、国内利用者数が2,600万人(2019年7月現在)であるFacebookと比較すると、少々物足りなさを感じます。
それでも、同僚やビジネスパートナーなどとつながることができるといったメリットから「Facebookのビジネス版」などと呼ばれ、少しずつ認知度が高まってきています。
LinkedInは、ビジネスに特化したSNSだと言われています。なぜでしょうか。
それは、LinkedInが掲げているビジョンとミッションを見ると、よく分かります。
ビジョン:世界で働くすべての人のために、経済的なチャンスを作り出す。
ミッション:世界の人々をつなげることで個人と組織の生産性を高め、さらなる成功に結びつける。
このとおり、「働く人のため」「生産性を高めて成功に結び付けるため」のサービスであると言えます。
2003年にサービス提供を開始した当初から、ビジネスに特化したSNSだったことが分かります。
そのため、たとえばFacebookで投稿するようなプライベートな内容(誕生日や結婚、出産などのライフイベント)を投稿していると、運営から削除を求められることもあります。
LinkedInは「ビジネスチャンスを拡げるために活用する」ことが大切です。
これは会社員でも起業家でも同じこと。
自身が担当する事業をさらに成長させるため、情報収集や新たな関係構築を行う。
そんなイメージで活用していけば良いのではないでしょうか。
それでは、具体的な使い方に移っていきましょう。
詳細な手順については多くのメディアで説明されていますので、ここでは要点をかいつまんでご説明します。
まず最初に行うのは、アカウントの作成です。
これは、FacebookなどのSNSと同じように行えばOKです。誰でも無料で作成することができます。
アカウントが作成出来たら、次はプロフィールの設定へと移りましょう。
そしてこの部分が、LinkedInがビジネスSNSと言われる大きな理由であり、他のサービスと異なる点です。
LinkedInのプロフィールでは、基本的な内容に加え、自分の職歴や学歴、ビジネススキル、資格などを記載することができます。
いわば、LinkedIn上で履歴書と職務経歴書を作っていくようなイメージです。
これが、名刺代わりにもなります。
興味深いのが、第三者からの推薦機能が付いているという点。
通常、プロフィールに載せる情報というのは、そのスキルの有無を自身で判断します。
つまり、自己評価で決まるということです。
しかしLinkedInでは、各スキルに対して第三者からの推薦を受けることができます。
「この人の〇〇というスキルは、私が推薦します!」といったところでしょうか。
他人からの推薦があれば、その人が信用できる人物であるかどうかも判断できます。
オンライン上で容易に関係が構築できるからこそ、このようなサービスは嬉しいですね。
また、これらのプロフィールを通じて、業界のさまざまなプロフェッショナルたちに対してアピールをすることもできます。
求人への応募やスカウトを受けることもできるため、外資企業を含め海外においては、LinkedInを使った採用活動が活発に行われています。
日本国内でも、LinkedInを通じて仕事を受注した、転職を実現したという人が出てきています。
LinkedInには「つながり」という機能があります。
互いのプロフィールを見たうえで、興味を持った相手に対してつながり申請を送ることができます。
これはFacebookの「友達」にあたる部分ですが、Facebookにおいてはプライベート要素が強く、つながりを持つのは顔の知れた友人のみ、という人も多いでしょう。
しかしLinkedIn上では、まるで名刺交換をするようなイメージで、活発につながり申請が行われています。
私も現在180名ほどのつながりがありますが、対面で話したことのある人たちよりも、LinkedIn上で出会いつながりを持った人たちが大多数を占めています。
そして、つながり申請を送る判断基準となるのが、プロフィールなのです。
そのため、自分の人となりがきちんと伝わるよう、プロフィールを詳細に記載することがとても大切です。
ここからは、どのような方法でLinkedInをビジネスへ活用していけば良いか、具体的な方法についてご説明します。
LinkedInは独自のアルゴリズムを搭載しています。
そのため、アカウント作成時に自分の職業や会社名などを入力すると、それを元に近しい職種の人をフォローできる仕組みがあります。
これにより、自身が所属する業界の仲間が増えるうえに、つながりを持った人たちと情報交換もできます。
対面の場だけで仲間を増やすには、時間や体力の限界もありますが、SNS上であれば簡単につながることができます。
一方で、対面でのコミュニケーションがない分、信頼関係を構築するまでには時間がかかるかもしれません。
しかし、一度信頼関係を構築できれば、その後の仕事の依頼などにもつながっていく可能性があります。
もちろん、アカウントを作成したものの全然活用していない、というユーザーもいます。
そのようなユーザーは、つながりを持ったとしても効果が薄いです。
そのような事にならないよう、つながり申請を送る前に、プロフィールを見ることをオススメします。
直近2〜3ヶ月の間に、投稿や他ユーザーへのリアクションをしているかなどを確認すると良いでしょう。
LinkedIn上では、同じような興味・関心を持つ人たちがグループを作成し、さまざまな活動を行っています。
参加条件も設定している場合もありますが、基本自由に参加することができます。
共通の興味や特定のテーマ、業界などに基づくグループへ参加することで、参加者たちとディスカッションや情報交換を行うことができます。
仕事とは別の、社会人サークルに所属するようなイメージでしょうか。
色々探してみて、ぜひあなたに合ったグループを見つけてくださいね。
また、先ほど紹介したつながりとは別に、フォローという機能もあります。
つながりは個人同士の関係構築が目的ですが、フォローはインフルエンサーや企業などの投稿を閲覧することができるというもの。
LinkedInでは、各業界のリーダーやさまざまな企業が日々情報を発信しています。
ただし、そのような人たちと直接つながりを持つことは難しいでしょう。
しかし、フォローを行えば、第一線で活躍する人たちの生きた情報を直接受け取ることができます。
これは情報収集を行ううえで、大きなメリットになると思います。
積極的に活用していきましょう。
LinkedInはSNSであるため、ビジネスに関する自分の知識・経験や業界のニュースなどを自由に投稿し、他のユーザーと共有することができます。
これは、自分がどのような領域に興味・関心があるのか、どのようなスキルを持っているのかなどを知ってもらえる良い機会です。
特にLinkedInは、想いやストーリー性のある投稿が重要視されています。
あなたの得意分野・好きなことを熱量たっぷりに語ることができたら、その投稿は多くの人の共感を呼ぶことでしょう。フォロワー数の増大にも期待ができます。
何事も、公言することは大切です。
投稿した当時は思ったような反応が得られなくても、忘れた頃に声が掛かるかもしれません。
SNSでの活動は一朝一夕で実を結ぶものではないため、コツコツと情報発信を積み重ねていくことが重要です。
参加しているグループ内で共有するもよし、タイムラインに投稿してより多くの人に発信するもよし。
やり方は人それぞれです。
あなたなりの正解を見つけてみてくださいね。
あなたの事業で何か具体的な商品やサービスを展開しているのであれば、そのプロモーションに活用するのも良いでしょう。
新商品のリリース、キャンペーンを行うときなど、それらの情報をLinkedIn上で投稿すればOK。
通常、LinkedInの投稿は、つながりのある人にしか表示されません。
もちろん、投稿の公開範囲を「すべてのユーザー」とすることで、LinkedInにユーザー登録していない人でも閲覧することができます。
ただ、もっと効果的にプロモーションを行いたいのであれば、LinkedIn広告を出してみるのも一つの手です。
ユーザーの興味・関心に合わせて広告を出すことができ、問い合わせを獲得することにもつながります。
当然ながらLinkedInのユーザーは、ビジネスで使用している人ばかりです。
加えて、「SNSを通して何か有益な情報を受け取りたい!」と考えている人がほとんど。
投稿や広告はしっかり目を通す傾向にあります。
良い商品・サービスだと感じてもらえたら、そのまま顧客獲得につながるかもしれません。
根気よく、プロモーションを行っていきましょう。
LinkedInには、「LinkedIn Learning」というeラーニングサービスがあります。
何と16,000件以上のコースがあり、日本最大級のオンライン学習サービスです。
「ビジネス」「クリエイティブ」「テクノロジー」の3つのジャンルから、自分の興味に合わせて好きなものを選んで受講することが可能です。
最も人気があるのは「プログラミングの基礎:基本」というコース。
他にも、「ビジネス英語の基礎:基本」や「プロジェクトマネジメントの基礎」など、これから力をつけていきたいという人にオススメのコンテンツがたくさんあります。
LinkedIn Learningは有償のサービスですが、1か月の無料トライアルも可能です。
また、LinkedIn自体をプレミアムプランで利用している場合は、無料で使うことができます。
興味のある人は、ぜひ一度試してみてくださいね。
ここまで読んでみて、「LinkedInをやってみたい!」と感じてもらえたのではないでしょうか。
紹介してきた内容を実践すれば、ビジネスSNSとしてあなたの事業成長を後押ししてくれるはず。
そこで最後の章では、さらにLinkedInの使用効果を高めるためのポイントを2点ご紹介します。
一つ目がプロフィールの最適化です。
先ほども説明した通り、プロフィールはあなたの履歴書と職務経歴書の代わりになるもの。
「この人面白い!声をかけてみたい!」と思ってもらえるような魅力的なプロフィールにしていきましょう。
そのために重要となるのが、「効果的なヘッドライン」と「外部リンク」です。
順番に見ていきます。
ヘッドラインというのは、プロフィールの最も上に表示される部分を指します。
名前のすぐ下にある5〜6行の説明文です。
この部分に、自分をわかりやすく表すキャッチフレーズを入れておくと、魅力をアピールする効果が高まります。
特に、このヘッドラインの冒頭2行分にはこだわって書くことをオススメします。
その理由は、自分が投稿をしたときに名前のすぐ下に表示され、読者の目に留まりやすいためです。
ヘッドラインを作るときのポイントは、以下の通りです。
・何をやっている人なのかが分かる
・強みが分かる
・単語や短文を使い、読みやすい文章を心がける
それぞれの詳細については、他の記事などでも詳しく紹介されているため割愛します。
ぜひ、あなただけにしか書けないヘッドラインを書いてみてください。
ライティング・Web制作・Webデザインなどクリエイティブ関係の仕事をしている場合、外部リンクへ誘導するのも有効です。
これまでの実績・スキルをまとめたポートフォリオサイトや、関わったプロジェクトのHPリンクを貼り付けるなど、プロフィールには載せられなかった情報を外部リンクで補足しましょう。
外部リンクを活用する理由は、文章で書くよりも視覚的にで訴えかける方が伝わりやすいためです。
まだポートフォリオを持っていないという人も、この機会に作ってみてはいかがでしょうか。
二つ目は、投稿に関するコツです。
自分が投稿するとき、他人の投稿に反応するときの場面に分けてそれぞれご紹介します。
LinkedInでは、本当にさまざまな業界のビジネスマンたちが、それぞれの視点で情報発信を行っています。
実名で、かつ肩書きも記載しているため、前向きで建設的な投稿が多いです。
そのため、書く人・読む人双方のモチベーションが高く保たれています。
以前、情報収集と情報発信に関する記事を書いた際にも触れましたが、プライベートな発信が多いFacebookでは、長文の投稿は敬遠されがちです。(参考:SNS はもう古い!?イマドキの情報発信。情報収集)
一方でLinkedInの場合、長文=きちんとした情報という認識に繋がり、好意的に捉えられることが多いです。
もちろん、ただ長いだけでは読者も疲れてしまいますので、伝えたい内容を明確にしておくことは大切です。
例えば、下記のような流れで書くと良いでしょう。
・投稿の冒頭に、何をテーマとした投稿なのかを記載
・本文は結論から書く
・なぜそう思ったのか、具体例を交えて理由を書く
・最後にもう一度結論を書く
これは、論理的な文章を書く時の基本とされています。
誰しも有益な情報を得たいと思ってLinkedInを使っていますが、ビジネスSNSとはいえそこまでゆっくりと時間をかけていられないのも事実。
そのため、伝えたいことが端的に分かるような投稿を心がけると良いでしょう。
もしFacebookで他人の投稿や広告を見かけた場合、あなたはどうするでしょうか?
たとえ自分の友だちがコメントやいいね!を付けている投稿であっても、そこにあなたが続くことは少ないと思います。
実名投稿のFacebookでも、知らない人からリアクションやコメントが届いたら、ちょっと敬遠してしまいますよね。
その一方でLinkedInでは、投稿に対するコメントやリアクションがとても活発に行われています。
「ビジネスを目的とした交流」というのが大前提にあるため、良いと感じた投稿には積極的に反応していこうという意思の表れと言えます。
自分のことを投稿するのはちょっと…とためらっているのならば、まずは他人の投稿にコメントやリアクションを付けることから始めましょう。
LinkedInでは、他人からの反応を嫌がる人はほとんどいません。なぜなら交流したいから。
あなたが付けたコメントやリアクションがコミュニケーションとなって、その後自分の投稿を読んでもらえることにもつながります。
まずはとにかく、「あなたの投稿を読んでいるよ」という反応を示してあげるのが重要です。
コメントを付けるのに気後れしてしまうのなら、リアクションをするだけでもOK。
それが次のつながりへと発展する可能性もあります。
私も実際、フォローしている方の投稿に共感できる部分が多かったため、リアクションしたことがあります。
すると後日、同じ投稿に対してリアクションしていた別の方からつながり申請が届き、そこから交流が始まりました。
LinkedInでは、日常的にこのような事が起こりうるのです。
ぜひ、良いと感じた投稿があったら、積極的に反応していきましょう!
ビジネスSNSのLinkedInについて、起業家にも役に立ちそうなところをご紹介しました。
私も始めてからまだ1年足らずで、色々と活用方法を探っているところです。
あるとき、偶然流れてきた投稿が目に留まり、コメントをしました。
それがきっかけとなり、プログラミングのスキル習得に繋がったうえ、Web制作の仕事を受注することができました。
このようにLinkedInでは、いつどんなチャンスが巡ってくるか分かりません。
やっていれば必ず報われるという保証もありませんが、あなたの考えや価値観に賛同してくれる方は必ず見つかります。
インターネットを介して世界中と繋がれるようになった現代だからこそ、LinkedInなどのサービスを最大限活用してビジネスを展開することが必要なのかもしれません。
個人で何でも発信できる世の中になりました。
ぜひ皆さんも、積極的にLinkedInを活用して、自身の事業成長にお役立ていただけたら嬉しいです。