起業家コラム

SNS はもう古い!?イマドキの情報発信。情報収集

2024年3月26日

せっかく商売につながりそうな良いアイデアがあるのに、なかなか社会の認知度が上がらない。そんな悩みを抱えた起業家の方も多いのではないでしょうか。どれだけ優れた事業やサービスを展開していても、それが世の中で認知されなければ意味がありません。そこでこの記事では、情報収集・情報発信の最新事情について説明します。この記事を読めば、きっと今すぐに情報の収集と発信を始めてみたくなるでしょう。ぜひ最後まで読んでいただき、ビジネスにおける情報収集と情報発信の重要性について理解を深めていただけたらと思います。

ビジネスにおける情報収集・情報発信の必要性

起業するか否かによらず、ビジネスを行っていくうえで情報収集と情報発信は欠かせません。特に近年、インターネットを代表とするIT技術が世界的に普及したことで、デジタルツールを用いた情報の収集・発信が手軽に行えるようになりました。

そこでまずは、なぜビジネスにおいて情報収集と情報発信が欠かせないのか、その理由について項目別にご説明します。

情報収集を行うことで得られる効果

①知識の習得による競争力強化

情報収集を行うことでインプットの質が向上し、作業速度やアウトプットの質も向上します。それに伴い、市場で生き抜いていくための競争力強化にもつながるでしょう。

②意思決定の支援

正確な情報を収集できると、知識の引き出しが増え、より良い意思決定ができるようになります。


③新たなアイデアの創出

様々な切り口で幅広く情報を収集できると、それらを組み合わせることで新たなアイデアの創出へとつながります。


④適切な戦略の立案

特にビジネスにおいては、決まった答えはなく未知の問題を解決することが求められます。市場動向や競合の情報を収集できると、適切な戦略を立てられるようになります。

⑤効果的なコミュニケーション

事業を進める上で、関わる相手の立場やニーズを理解することは大切です。事前に情報を集めておくと、必要な場面でより効果的なコミュニケーションを取ることができます。

情報発信を行うことで得られる効果

①事業・サービスの認知度向上

起業においては、まず自身の会社やビジネスモデルについて知ってもらうことが必要不可欠です。そこで事業・サービスに関する発信を行うことで、社会での認知度を向上させることができます。

②信頼性の獲得と影響力の拡大

たとえ自身のアイデアが斬新で特異なものであったとしても、社会や顧客にとって不要なものであればビジネスにはなりません。顧客にとって有益な情報を提供することで、信頼性を獲得し、社会に対する自らの影響力を高めることができます。

③周囲との関係構築

事業を展開する上で、自身がどのような考えや意見を持っているのかを発信することで、周囲からの共感や理解を得ることができます。時には、意見をぶつけ合い議論を行うことで、新たな気づきに繋がることもあるでしょう。

④ブランド構築による顧客の獲得

事業を展開する上で、様々な商品やサービスが生まれます。それら一つ一つの価値や魅力を発信することで、新たな顧客の獲得につなげることができます。

⑤知識の蓄積と発展

情報を発信するためには、それらを整理して言葉へと落とし込む必要があります。その過程を通じて、自身の理解を深められるほか、発信した内容に対する顧客からのフィードバックやコメントを通じ、新たな気づきを得ることもできるでしょう。

ここまでの説明で、情報収集や発信を通して得られる効果についてご理解いただけたのではないかと思います。これだけ多くの効果が得られるからこそ、積極的な情報収集と発信が必要なのです。

では、実際の場面ではどのように情報収集と情報発信を進めていけば良いのでしょうか。
次の章では、情報収集・発信の進め方に触れながら、具体的な媒体の活用方法についてもご紹介します。

情報収集の進め方

まず、情報収集の基本的な進め方と、具体的な媒体の活用方法についてご説明します。

①目的の設定

調査したいテーマを見つけたら、すぐに情報収集をスタート…したいところですが、その前にやるべきことがあります。それが、目的の設定です。「何を明らかにするために情報収集を行うのか」を明確にしておくことが大切です。

目的が無かったり、漠然としたものであったりすると、インターネットという膨大な情報の中で迷い込んでしまいます。

無限に時間があればそれでも良いのかもしれませんが、情報収集は目的ではなく手段です。

限られた時間を有効活用するためにも、明確な目的を設定することから始めましょう。

②情報源の選定

現在、インターネットの普及により個人でも手軽に情報を発信できるようになりました。そのため、収集する側も手軽に情報へアクセスできる反面、その情報すべてが正しいとは限らず、場合によっては嘘や不確かな情報を掴まされてしまう可能性があります。

情報の信憑性・正確さの判断については、収集する側に責任があるということを心得ておきましょう。

後ほど、具体的な媒体の活用方法をご紹介する際にも少し触れますが、「どのような媒体を通して誰が発信しているのか」を判断基準にすると良いでしょう。

③収集した情報の整理・分類

様々な媒体を通じて情報が集まってきたら、それらを整理・分類する必要があります。
①で明確な目的のもとに集められた情報であっても、そのままの状態では活用できません。

媒体別に比較した場合、すべて同じ意見なのか、それとも異なる意見があるのか。異なる場合、その理由は何なのか。正しい意見はどちらなのか。様々な視点から情報を精査することが大切です。

この過程を通じて、情報の要不要の判断を行っていきましょう。

具体的な媒体の活用方法

それでは、情報収集を進める上で情報源となる主なものを5点、ご紹介します。

新聞

まず基本となるのが新聞です。記者の方々が現場で集めてきた情報をカテゴリ別にまとめてあるため、幅広い情報を入手できます。まだ、現場で得られた一次情報であるため、その信頼性も高いと言えます。

ただし、新聞社によって意見や発信の方向性が異なる点には注意が必要です。生の情報を元にしてはいますが、それをどう編集し発信するかを決定しているのは人です。

可能であれば、一つのテーマについても複数の新聞社が発行している新聞から情報収集を行っていくのが望ましいです。

また、紙媒体であるため、情報が公に発信されるまでのスピードに欠けるという側面があります。加えて、信頼できる情報を得られる反面、即時性については後述するWeb媒体には及ばないでしょう。


テレビ

今では、Youtubeなどでもニュース番組をテーマ別に閲覧できるようになりました。しかし、まだまだテレビは情報収集の手段として健在です。

限られた時間の中で複数の情報を発信しているため、内容がコンパクトにまとめられています。

また、映像を通して視覚的に情報を得ることができ、内容理解が進みやすいのもメリットです。

一方、こちらも新聞と同様、放送局によって意見や発信の方向性が異なるため、どのように編集されるかによって内容に偏りが出ている点には注意が必要です。

番組という時間の制約がある中ではありますが、可能な限り複数の放送局で取り上げられている内容を見て判断をした方が良いでしょう。

加えて、一度放送した番組は後から視聴することができず、再び参照することが難しいといったところもデメリットになります。

しかし最近では、ネット上で好きな時間に好きな番組を視聴できるようになりましたので、大きな問題にはならないと考えられます。


Web媒体

インターネットの活用が当たり前となった現在、情報収集のメインはWeb媒体と言えるのではないでしょうか。

Web媒体の特徴としては、比較的鮮度の高い情報を幅広く入手できる点にあります。
しかし、誰でも好きなように発信ができるため、不確実で信頼性に欠ける情報があるのも事実です。

欲しい情報や正確な情報にたどり着けない可能性もあるため、調べ方に工夫が必要です。発信しているのは個人/法人のどちらなのか、また他の情報を参照し信頼できるメディアかどうかの判断も求められるでしょう。


書籍・雑誌

最近ではより簡単に書籍を出版できるようになりましたが、執筆から製本されるまで様々な人のチェックをくぐり抜けてきた情報であるため、信頼性は高いと言えます。

また、専門書であれば、論文や学会などを通じて学術的に立証された内容であるため、より専門的な深い情報を入手することができます。

その反面、短時間で効率的に情報を収集したい場合には不向きです。加えて、情報が世の中に出てくるまでのタイムラグもあるため、速報性には欠けます。

しかし、長い人類の歴史の中で、先輩起業家たちが必ず目を通し参考にしてきたバイブルのような書籍も数多く存在します。目的に応じてうまく使い分けるのが良いでしょう。


SNS・口コミ

こちらも、Web媒体と並んで現代の情報収集におけるメインと言えるのではないでしょうか。

SNSは非常に情報の鮮度が高く、ボタン一つですぐに発信(投稿)できるという特徴があります。また、ダイレクトメッセージ(DM)機能を使えば、情報発信者と直接コミュニケーションを取ることも可能で、情報に双方向性があるのも特徴の一つです。

しかし、Web媒体と同様、正確性や信頼性に欠ける情報が多いため、他の媒体で得られた情報の最新はどうなっているのか、などの適切な使い分けが求められるでしょう。

一方、口コミはその道に詳しい人に直接尋ねるという方法です。実際に携わっている方の生きた情報が得られる反面、内容に偏りがあるという点は念頭に置いた方が良いでしょう。

ここまで、情報収集の進め方と具体的な媒体の活用方法についてご紹介してきました。一つの情報源を過信せず、様々な視点から情報を入手することで正しいインプットを行っていきましょう。

情報発信の進め方

続いて、情報発信の基本的な進め方と、具体的な媒体の活用方法についてご説明します。

①目的の設定

情報収集の時と同様、やみくもに発信をすれば良いというわけではありません。「誰に」「どんな形で」「どんな行動を起こしてもらうために」情報を発信するのかを明確にしましょう。

ここが明確でないと、どのような情報を提供すれば良いかが分からず、当たり障りのないことしか発信できなくなってしまいます。

誰にでも書けるような内容では、顧客は振り向いてくれません。「自分のために届けてくれた」という強いメッセージ性のある情報ほど、人の心を動かしてくれます。

そして、目的を明確にすることで、「どんな形で」伝えるかという媒体の選定にもつながっていきます。

時間もかかりますし、根気のいる作業になりますが、目的が明確になりさえすればそれに合った媒体を選択すれば良く、その後の作業がスムーズに進みます。

ぜひ、自分なりの目的をしっかりと立ててみてください。


②目的に合った媒体の選定

目的が明確になったら、次に媒体を選んでいきましょう。詳細は後述しますが、情報発信のツールにも様々な形態があります。

ターゲットとする顧客へ直接アプローチするのか(プッシュ型)、それとも顧客側から情報へアクセスしてもらうのか(プル型)の2種類に大きく分けられます。

どちらの手法が優れているという話ではなく、①で立てた目的に応じて最適な手法を選択する必要があります。


③継続的に情報を発信する

そして何より大切なのが、「情報発信をやめないこと」です。最初は高いモチベーションで始めた情報発信も、慣れとともにやる気が下がってしまいます。

また、発信する情報が無くなってしまったり、逆に緊急で発信しなければならないなど、イレギュラーな対応も求められるでしょう。

時には面倒になり、発信自体をやめたくなる時が出てくるかもしれませんが、コツコツ続けていれば振り向いてくれる人が必ず現れます。

自分の発信する情報が誰かの役に立っていると信じて、継続的に情報を発信していきましょう。

具体的な媒体の活用方法

プル型

プル型の場合、媒体上に情報を蓄積しておき、顧客側から情報へとアクセスしてもらうことが必要です。

SNSであれば、Facebook、Instagram、Youtube、Tiktok、LinkedInなどが挙げられます。写真を主とするのであればInstagramが有効ですし、動画で魅力を伝えるのであればYoutubeが適しているでしょう。

LinkedInは、ビジネスSNSとして近年活用が進んでいるツールで、様々な業界のビジネスマンが各々の視点で情報発信を行っています。

プライベートな発信が多いFacebookでは、長文の投稿は敬遠されがちです。一方でLinkedInの場合、長文=きちんとした情報という認識に繋がり、好意的に捉えられることが多いです。

実名かつ肩書きも記載しているビジネスマンが情報発信しているプラットフォームであるため、批判的な意見も少なく発信する側のモチベーションも保ちやすいと言えます。

SNS以外のツールであれば、note、ブログ、自社ホームページなどが挙げられます。他にもプレスリリースを活用すれば、メディアへの露出アップにも繋がるでしょう。

また、あえてアナログ媒体を使うというのも一つの手です。たとえば、FAX、はがき、手紙、チラシなどが該当します。熱意があり、心のこもった情報というのは、人の心を動かします。デジタル全盛期の現代だからこそ、あえて手書きメッセージなど温もりのある情報発信も有効かもしれません。

プッシュ型

プッシュ型の場合、企業側がターゲットとする顧客へ直接アプローチします。LINEの公式アカウントやメールマガジンなどが該当します。

LINEの場合、対象の公式アカウントにお友達登録さえしてもらえば、あとは情報発信をするだけで一斉配信ができます。

現代では、個人や企業における情報発信手段の主流となりつつあるLINEですが、一方でメールマガジンもまだまだ健在です。

LINEと比較して開封率が低いのが欠点だと言われています。それでも、フリーのメールアドレスであれば簡単に取得できるため、誰でも受信可能です。

手軽さはLINEに軍配が上がりますが、より濃い情報を発信できるという点で、メールマガジンを選択するのも一つの手だと言えるでしょう。

まとめ

起業したての頃というのは、社会での認知度も低くなかなか思うように仕事を進められないこともあるでしょう。そんな時にこそ、情報収集と情報発信の積極的な活用をオススメします。

情報収集により、事業を展開する分野に対する知識を深め、適切な戦略立案のもと意思決定を行うことができるようになります。また、取引先とのコミュニケーションも円滑に進められるでしょう。もし事業に行き詰った場合も、集めた情報からアイデアを着想し、突破口を見つけられるかもしれません。

情報発信を行うことで、社会における認知度向上に繋がりますし、顧客や取引先からの信頼も得られます。そうして蓄積していった知識・知見をさらなる情報発信へと活かすことで、事業拡大にも繋がっていくでしょう。

収集(インプット)と発信(アウトプット)は切っても切り離せない関係です。インプットとアウトプットを繰り返し行うことで、双方の質を向上させることができるようになります。ぜひ、情報収集と情報発信を習慣にしていただけたらと思います。

この記事を書いた人

naoto
企業研究員、自治体職員を経てフリーランスへ。Webライティング、Webページ制作のほか、バックオフィス系業務全般を対応する個人事業主。

Tags

Share

Ranking

ランキング